
目次
相続方法の選択①
■ 3つの相続方法
単純承認
相続放棄
限定承認
相続方法の選択②
■単純承認
原則どおりに相続することを受け入れるということで、単純承認をした相続人は、被相続人の一切の権利義務を「無限に」承継することになります。プラスの財産もマイナスの財産(負債)もすべて受け継ぐことになります。
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相続した財産が資産よりも負債が大きいという場合には、相続人固有の財産で相続した負債を弁済しなければならなくなります。
■ 限定承認
限定承認は相続人が自分の負担で亡くなった人の債務の返済をしなくてすむが手続きが面倒で、専門家に頼むと費用もかかるので、実際に利用されることは少なくなっています。
■ 相続放棄
・マイナス財産が多いので相続したくない!
・相続のトラブルに巻き込まれたくない!
・自分は欲しい財産も無いので、相続関係から離脱したい!
などの事情はあった場合、相続を放棄することができます。相続が開始したこと、自分が相続人であることを知ってから3か月以内(事情により延長も可能)に申し立てをしなければなりません。
遺産分割に備える資金について①
■ 相続人となる順位(法定相続人・法定相続分)
民法で規定される相続人・相続分を「法定相続人」「法定相続分」と呼んでいます。配偶者は必ず法定相続人となります。その他の親族は、子(第一順位)⇒父母などの直系尊属(第二順位)⇒兄弟姉妹(第三順位)の順位で法定相続人となります。
遺産分割に備える資金について②
■ 代襲相続
代襲相続とは、相続人となるべき「子」または「兄弟姉妹」(被代襲者)が相続開始時に死亡、相続欠格または廃除が原因で相続権を失っていた場合に、その被代襲者の「直系卑属である子」が、被代襲者に代わって、被代襲者が承継するはずだった相続分を承継するという制度です。
【再代襲相続とは?】
代襲相続人が相続開始時に死亡などで相続権を失っていた場合は、代襲相続人の直系卑属である子が、代襲相続人に代わって、代襲相続人が承継するはずだった代襲相続分を承継することができます。これを「再代襲相続*」といいます。
*昭和55年の民法改正によって、兄弟姉妹が相続人の場合には再代襲相続は認められなくなりました。
遺産分割に備える資金について③
■ 遺留分
民法では、遺産のうちで相続人が相続できる最低割合を保証しており、これを遺留分といいます。遺留分は、遺言の内容よりも優先されます。
遺留分を侵害された相続人は、侵害分を他の相続人から取り戻す請求を起こす権利があります。(減殺請求権)遺産分割の場合、この遺留分を侵害しないように注意する必要があります。
■ 特別受益
被相続人が相続人に対して生前に贈与(たとえば、「父⇒ 子への贈与」)した財産は、「将来に相続する財産の前渡し分」として扱われ「特別受益」と呼ばれています。
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民法では、遺産分割の際、「特別受益」に該当する財産の価額を、遺産分割の対象財産に持戻し(加算)するように定められています。
遺産分割に備える資金について④
■ 寄与分
被相続人の事業(農業含む)を一緒に営み、資産の形成に貢献した相続人や被相続人の老後の介護をして面倒をみた人などは、当然、遺産を多く相続することができます。これを寄与分といいます。
寄与分と特別な寄与
寄与行為が認められるためには、特別な寄与であることが必要です。したがって、夫婦間の協力扶助義務、直系血族および兄弟姉妹の扶養義務の範囲内の行為、直系血族および同居の親族の相互助け合いの義務の範囲内での行為は、原則として寄与行為とはなりません。
被相続人の事業に従事していた者の寄与
寄与分は、被相続人の財産の維持・形成に特別な寄与をした場合に認められるもので、支払われた賃金や報酬等の対価が労務の対価として十分と思われる場合には認められません。
ただし、事業の承継等の問題もあり、共同相続人の中で事業に従事していた者と事業に従事していない者がいるときは、遺産分割において事業に従事していた者に、必要な遺産の分割が優先してなされることがあります(審判例など)。
被相続人の子の妻の寄与
寄与分が与えられる寄与者は相続人でなければなりませんので、相続人の妻が被相続人(義父や義母など)の療養看護に勤めても、妻自身が寄与者になれることはありません。
この場合、妻は相続人である夫の補助者または代行者として寄与貢献があったものとされ、貢献期間と通常の扶助を超える部分の評価額が寄与分として夫に認められます。
国税庁 ↓
相続税や贈与税に関する特集ページ(「相続税・贈与税・事業承継税制関連情報」)を見る
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