
「特別勘定特約 第3総合口」
企業が将来の年金額を社員に約束する「確定給付企業年金」向けに、第一生命保険は来年4月から、上場投資信託(ETF)などに投資する高収益型の新商品を投入する。超低金利で低リスク商品では利回りが確保できないことや、厚生労働省が企業年金に運用基本方針の策定を義務化したことを背景に、高いリターンを追求する流れが加速すると判断した。
発売するのは「特別勘定特約 第3総合口」。5~10年で5%の利回りを見込み、5年で2500億円の受託を目指す。国内外の株式・債券を一定価格で取引する権利を売買対象にする「オプション取引」の市場を分析して先行きを予測し、毎週資産の見直しを行うという。リスク分散ではなく、リターン目的で機動的に運用資産を入れ替える企業年金向け商品は生保では初めとていう。
厚労省は今年4月、確定給付企業年金制度を改正し、原則全ての企業年金に運用利回りの目標を定めることを含めた基本方針の策定を求めた。第一生命によると、制度改正により今後利回りを意識する企業は増える見込みという。
生保各社は、国債で運用するなどの低リスク型商品を得意とする一方、中・高リスク商品のシェアでは信託銀行などに大きく後れを取っていた。第一生命は新商品発売でこの分野でも存在感を高めたい考え。超低金利は当面続く見通しで、他の生保も続く可能性もありそうだ。
(フジサンケイビジネスアイ 2018/12/11)