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MS&ADインシュアランスグループホールディングスの柄沢康喜社長は21日までに産経新聞のインタビューに応じ、平成30~33年度にデジタル分野で500億円の新規投資を行う方針を明らかにした。
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用した商品やサービスなどの開発に注力し、「新たなビジネスを創出する」考え。
デジタル分野では、既に28~31年度に1千億円の投資を打ち出しているが、業務プロセスの効率化などが狙いだった。
これに追加する形で投資資金を捻出し、新事業創出に振り向けるのは、「飛躍的なデジタル化の進展でビジネスモデルが変わっていく」とみるからだ。
ITなど異業種は従来にない発想の商品などを生み出しており、「スタートアップとの協業や異業種との連携を通じ、デジタル技術のレベルアップを図る」と強調した。
一方、国内の損害保険市場の成熟化を見据え、海外と国内の生命保険事業を合わせた利益の割合を現行の約3割から33年度には5割に引き上げ、収益源を分散させる方針を改めて示した。
成長を牽引(けんいん)する海外では「いい相手がいれば、M&A(企業の合併・買収)をやっていく」と語った。
29年度に1千億円超の赤字を出した英損保子会社の収益改善も課題。
6月に入って700億円の増資を行い、財務基盤を安定させたほか、収益性の低い保険の引き受け条件見直しなども進めており「30年度には黒字転換できる」と述べた。
(産経新聞 2018/06/22)