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三井生命保険は2018-20年度の中期経営計画を始めた。
経営再建を進める中、前の中計では10年以上続いた定額保険の保有契約年換算保険料の減少傾向が反転。
強みの国内生保事業を拡充し、成長へかじを切る。
4月に就任した吉村俊哉社長に戦略や今後の事業展開を聞いた。
―今後3年間をどう位置づけますか。
「前の中計で事業再生にめどをつけ、これからは成長のステージに移行する。なんとしてもこの3年間で成長し続けられる仕組みを構築する。この中心に置くのが、経営目標としていた保有契約年換算保険料の反転を支えた営業職員や、アフターサービス担当だ。採用や育成の体制を整備し、3年間で今の約7500人から8000人規模に増やしたい。採用数や在籍率を引き上げ、継続的に純増を続ける組織を目指す」
―日本生命保険と経営統合しました。
「統合から2年、日生とのシナジーがさまざまな場面で現れており、これも事業成長の原動力としたい。特に日生は約5万人の営業職員を抱える。外貨建て保険など三井生命の特色ある商品を日生や銀行窓販、代理店チャンネルを通じて供給する『元請け事業』を伸ばす。また、日生の商品を三井生命が扱い始めており、我々の体力では難しかった商品構成の拡充も進んでいる」
―商品戦略は。
「主力の補償型保険『大樹セレクト』と外貨建て保険を両輪に販売を伸ばす方針だ。特に外貨建て保険は他の国内生保に先駆けて13年に発売し、累計販売は27万件。市場もよく分かってきた。国内の低金利が続けば、商品ニーズはより高まるだろう。新商品の投入もあり得る」
―生保が健康増進保険を相次いで発売しています。
「健康増進活動と保険料の関係がより明確になれば伸びる市場だ。関心を持って動向をみているが、我々が持つ開発の基礎となるデータは十分ではない。ただ、独自の健康体料率を使い保険料を割り引くサービスは以前から展開しており、これらを利用者により訴求したい」
(日刊工業新聞 2018/05/08)