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日本生命保険の社長に1日付で就任した清水博氏は4日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、人工知能(AI)の深層学習機能を活用した資産運用を試験的に開始したことを明らかにした。
国際金融市場が不安定さを増す中、最先端のITを活用し運用力を高める狙いだ。
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昨年から開始した。
市場のデータを読み込ませ、AIが取引のタイミングを見極め、運用担当者が最終判断している。
しばらく試験運用を続け、本格展開に切り替えるかを決める。
清水社長は「少ない金額で運用している段階だが良い成果が出ている」と語り、手応えを示した。
日本生命はAIでツイッターの書き込みや有価証券報告書を分析し、株価急変を予測するシステムの構築も進めている。
AIを人の投資判断をサポートする手段に位置づけ、多様な活用法を検討する。
さらに、清水社長は「人材の強化に尽きる」とも述べ、米TCWやドイツ銀行系ドイチェ・アセット・マネジメントなど出資先の資産運用会社との人事交流を加速し、最新の運用ノウハウをグループ内に蓄積する考えを強調した。
今後の資産運用戦略では、引き続き海外社債などに積極的に投資する方針だ。
このうち環境保全や社会貢献につながる投資先を選ぶ「ESG投資」は2020年度までに2,000億円を投じる計画。
ただ、昨年末時点で投資額は1,600億円まで積み上がっているといい、清水社長は「ESGの投資枠は引き上げる方向だ」と語った。
(フジサンケイビジネスアイ 2018/04/05)