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2019年度から定年を65歳に延長する明治安田生命保険。
働き手の減少と業務量の増加が進む中で活躍が求められる中高年齢層のモチベーションを高める研修に注力、挑戦する意欲をかき立てている。
幅広い経験と専門性の発揮が企業成長に不可欠なためだ。
井福正博副社長は「研修で『まだまだ時間はある』というメッセージを送った。
自身の強みを知って会社に貢献してほしい」と強調した。
1月31日から5回にわたり開催された50歳職員を対象にしたキャリア開発研修。
公募に手を挙げた184人(対象249人)が参加したが、「受講者の表情は最初、暗かった。
どんな研修をするのか戸惑いがあったからで、会社としては『意欲、能力があれば登用していく。
まだ15年もチャンスがある』と伝え、意欲を喚起した」(人事部ダイバーシティ推進室の小本辰之亮主席スタッフ)。
新しいことに挑戦する50歳研修のほか、58歳向けにキャリアデザイン研修を昨年7月に4回実施。
強みやノウハウ、経験をフル活用して会社に貢献するように求めた。
60歳定年後は京都移住を考えていた総合法人業務部事務担当の本郷静子さんは「必要とされるのはうれしい。精いっぱいやると決めた。
第1期生なのでモデルケースとして会社に役立ちたい」と喜ぶ。
現在は60歳定年で退職した職員を1年契約の嘱託として再雇用して65歳までの雇用環境を整備した。
しかし職務が限定される上、給与水準も定年前より大きく下がるため、モチベーションの観点から課題があった。
またボリュームゾーンの中高年齢層の活躍なくして競争力の維持向上が難しくなるとの事情もあり、前向きに挑戦できる環境を用意した。
(フジサンケイビジネスアイ 2018/02/26)