
2018年3月期決算を受け、生命保険会社の間で契約者配当を引き上げる動きが相次いでいる。
すでに明らかになった日本生命保険などに加え、住友生命保険も増配する。
長寿化による死亡率低下の恩恵を、配当として死亡保険の契約者などに還元する。
一方、日銀のマイナス金利政策導入以降、厳しい運用環境が続くなか、運用収益が影響する個人年金などの配当には各社が頭を悩ませている。
住生は死亡保障付きの定期保険などの契約約350万件を対象に、約110億円の増配を決めた。
「内部留保や将来の収益性とのバランスを見ながら安定配当を実施する」(古河久人執行役常務)
すでに日生と明治安田生命保険も、過去2番目となる大規模な増配を決定。
富国生命保険も異例の6年連続の増配を実施する。
株式会社の第一生命保険は、全体の配当額は前年並みとする一方、死亡保険など433万件を対象に増配する。
今回の増配ラッシュは、長寿化で保険金の支払いが保険会社の想定を下回って浮いたお金を還元する意味合いがある。
ただ厳しい運用環境を反映し、運用収益が配当に影響する個人年金などについては多くの生保が据え置き・減配とした。
(日本経済新聞 2018/06/08)