
日本生命保険は10日、農地投資に参入すると発表した。
国内生保大手では初めての取り組みとみられる。
第1弾として、米国投資会社が運用するファンドに1億1,900万豪ドル(約100億円)を出資する。
日銀のマイナス金利政策に伴う運用難を背景に、環境保全や社会貢献につながることを重視して投資先を選ぶ「ESG投資」を加速し、運用先の多角化を進める。
米ハンコック・ナチュラル・リソース・グループ(HNRG)が運用する農地投資ファンドに投資する。
HNRGが農地を購入して農業法人などに貸し出したり、栽培した穀物などを販売したりして得た利益の一部を還元してもらう。
10年程度の長期投資で、年5%の利回り確保を目指す。
約5年後には投資額を3~5倍に拡大する計画という。
この投資を通じて食料の安定供給や農家の収入安定化にも貢献する。
日本生命は2020年度までの4カ年で、2,000億円のESG投資を計画。
ただ、今年2月末時点で残高は1,800億円まで積み上がっていることから「引き上げる方向だ」(清水博社長)。
第一生命保険は今月5日、インターネット上で個人投資家からお金を集め、発展途上国の事業者や個人に融資するサービスを展開するベンチャー企業に1億円を投資したと発表。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は昨年10月、すべての投資にESGの観点を取り入れることを表明した。
(フジサンケイビジネスアイ 2018/04/11)