金融庁新長官、多難な船出 遠藤氏、地銀改革踏襲も独自色出せるか

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金融庁長官への昇格が決まった遠藤俊英監督局長にとって、森信親長官が進めてきた地銀改革が引き続き大きな課題だ。

森氏が金融機関から「剛腕」と称されたのとは対照的に、遠藤氏は金融業界との対話路線を重視するとの期待もある。

ただし森氏は7月に金融庁の改革方針を打ち出しており、遠藤氏が率いる新体制がどこまで新たな方向性を打ち出せるかは不透明。

また金融庁は仮想通貨や地銀経営をめぐる見通しの甘さも指摘されており、遠藤氏にとっては多難な船出になりそうだ。​

金融庁は森氏の下で、地方金融機関に経営改革を要求。

特に担保主義から脱却し、融資を工夫するよう求めるなど顧客本位の業務を促し、日本経済の成長につなげるという青写真を描いてきた。

監督局長として森氏を支えた遠藤氏も地銀に対し「持続可能なビジネスモデルができているか疑いがある」と厳しい視線を注いでいる。

遠藤氏は銀行1課長や総務企画局審議官、検査局長を歴任するなど金融機関の実情に詳しいのが強み。

森氏の金融機関に強く改革を求める剛腕ぶりとは対照的に、「いまだに銀行の支店長クラスとも対話する」(銀行関係者)ほどで、金融機関からの信頼感は絶大だ。

関係者の間では「対話路線」への期待も高まる。

麻生太郎金融担当相は10日の閣議後会見で、遠藤氏について「森(長官)に比べれば人柄は何となく優しい」と評価した。

だが、遠藤氏が長官になっても大胆な金融行政は打ちづらいとの見方もある。

金融庁はすでに森氏の下で、能力主義の人事や業務評価に外部の目などを入れることを柱とした金融庁改革を発表。

銀行融資のための資産査定基準を見直す議論や、高齢社会における金融サービスのあり方の中間とりまとめなども相次いで打ち出しているからだ。

これら改革案は森氏の「置き土産」の色彩が強い。

「遠藤氏に真逆の政策を打つなどの色が出せないように事前に手を打ったため」(金融庁幹部)とされ遠藤新体制の金融行政の手足を縛る可能性が指摘されている。​

金融機関との対話路線への期待が集まる遠藤氏だが、問題の解決は容易ではないといえそうだ。​

(産経新聞 2018/07/11)

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