長引く低金利…、生保各社の外債投資拡大が鮮明に

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国内の長引く低金利環境が生命保険会社の資産運用を外国債券に向かわせている。

国内主要生命保険9社の2018年度資産運用方針が26日までに出そろった。

金利や為替を見ながら判断するとした第一生命保険を除く8社が外国債券を増やす方針。

米国の長期金利が上昇する中で対米ドルの為替ヘッジコストが膨らみ、オープン外国債を積み増す動きも顕著だ。

今後1年間は日銀の金融政策に大きな変更はないとの見方が大半で、良好な利回りを海外に求める姿勢が鮮明になっている。

「今は本格的に投資できる金利環境になく18年度も大きな変化はないだろう」。

日本生命保険の秋山直紀財務企画部長は26日の説明会で、国内債券の運用環境についてこう述べ、金利の見込める外国債投資を引き続き拡大する方針を示した。

第一生命も外国債の積み増しを検討しており、実質的には全社が外国債を増やす見通しだ。

米長期金利上昇に伴って魅力が薄まる為替ヘッジ付き外国債の購入を抑えオープン外国債を積み増す動きもある。

日本生命は18年度の約1兆円の新規資金のうち4000億円前後をオープン外国債の投資に充てる。

富国生命保険は収益性が低下したヘッジ付き外国債を減らしオープン外国債を積み増す。

朝日生命保険はドル建てを中心にオープン外国債を1000億円増やす。

ドルの為替ヘッジコスト上昇は通貨分散の流れを加速させ、社債など高利回りが見込めるクレジット投資も拡大させる。

住友生命保険の松本巌上席執行役員運用企画部長は「ユーロを中心に通貨分散を図る」と強調。

明治安田生命保険は社債のほか、資産担保証券といったクレジット資産を増やす。

(日刊工業新聞 2018/04/27)



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