外資生保、日本に熱い視線 2社に聞く

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日本の生命保険市場は、米国に次ぐ世界第2位の規模を持つ。少子高齢化が進む成熟市場だが、実績のある外資系生保は日本を新たな技術やサービスを構築する重要な市場と位置づける。海外大手2社の経営幹部に今後の戦略を聞いた。

​高齢者専門チーム設立 仏アクサグループ最高執行責任者 アストリッド・スタンジ氏

――日本市場をどう見ていますか。

「『人生100年時代』を迎え、先進国では長寿化が進む。特に日本は少子高齢化の進展が他国より速い。今後は欧州などでも同じ課題に直面する。日本を重点市場と位置づけ、日本での経験を他国で生かしていく」

――具体的には。

「日本で高齢化対応の専門チームを立ち上げた。戦略やマーケティング部門などから専門性の高い人材を集めた。高齢化に伴う介護需要の増加など、市場の変化に合わせ商品やサービスを調査する」

「契約者の対応などでロボットや人工知能(AI)がどの程度受け入れられるかの研究も進める。これは私見だが、日本は他国に比べてロボットなどの技術にオープンな印象がある。コールセンターなどでロボットを活用することで、人材をより高度な業務に振り向けたい」

――3日に住友生命保険との業務提携を発表しました。

「他社との提携は常にオープンに考えている。ヘルスケア関連で成長が期待できるスタートアップ企業との協業も今後増やしていきたい。8月には医療保険の新商品発売に合わせて、名古屋大学発と広島大学発のスタートアップ企業とそれぞれ提携した」

「保険会社のビジネスは従来の商品主導から、サービス主導に移行していく。アクサグループは技術開発の面で6割を将来への投資に振り向けている」

健康増進型投入も視野 カナダ・マニュライフ最高経営責任者 ロイ・ゴリ氏

――日本市場の位置づけは。

「現在、香港やシンガポールなどアジア12カ国・地域に展開している。日本はアジア全体の収益の35%を占め、業績への寄与度が最も高い。成熟市場だが、根強い保険のニーズがある」

「一方、日本は家計資産の大半を現預金が占め、効率的な資産運用がされていない。今後も外貨建てをはじめとした自社商品を紹介し、顧客の投資先の分散を支援する。高齢化が進むなか、退職後の資金を確保するメドが立っていないケースもみられ、保険の成長余地はまだ大きい」

――運動など健康増進の取り組みに応じ保険料が決まる健康増進型保険「バイタリティー」を北米で扱っています。

「北米では発売から3年が経過した。健康増進型保険は顧客の保険料が下がるとともに、保険会社の支払いリスクも減るなど双方に利益がある。10年後には、こうした行動変革を促す要素はすべての保険に組み込まれていくだろう」

「『ムーブ』という独自の健康増進型保険もアジア4カ国で取り扱い、契約件数は15万件にのぼる。日本での開発や投入も視野に入れている」

――今後の戦略は。

「デジタルの直販網が拡大しても、約2200人の営業職員は欠かせない。ただ求められる能力は変わる。デジタル技術をさらに活用し、包括的な提案ができるように専門性を高めていく」

(日本経済新聞 2018/10/04)

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