
生命保険会社の医療保険の「先進医療保障」で、白内障手術の支払件数が急増している。
高齢化で患う人が増え、医療機関も「医療費負担が減る」と保険を使うことを勧めるなどして手術件数が増えた。
支払いが生保の想定を大きく上回り、白内障手術を保障対象から外すなど、保険利用者のデメリットになる動きも出てきた。
先進医療では、費用が公的保険ですべてカバーできない。
高額の自己負担が必要になることもある。生命保険各社は自己負担分を保障する商品を月100~500円程度で販売しており、医療保険につける特約の形が多い。
こうした先進医療に保険が適用される手術で最近、白内障手術が急増している。
濁った水晶体の代わりにレンズの一種を入れる「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」で、1件あたりの先進医療費用は60万円程度。
ある生保では、先進医療特約で支払いが発生した件数の約9割が白内障手術だった。このうち加入から1年以内の支払いが約8割に上がっている。
生保関係者は「今後、保障対象外にしたり、保険料を引き上げたりといった動きが広がる可能性がある」と話す。
ただ、先進医療保障をうたっていながら例外をつくる対応には反発もある。同様の動きが広がるかが注目される。
(朝日新聞 2018/09/05)