
豪雨に猛暑、洪水ーー。
足元の世界的な異常気象の背景にある地球温暖化防止機運の高まりが、国内生命保険大手の運用戦略に一石を投じている。
温暖化の原因とされる二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電関連について日本生命保険と第一生命保険は新規の事業融資を停止すると表明した。
ただ日本特有の電力事情も絡み、扱いに悩む生保もある。
「気候変動への影響が大きい石炭火力関連事業の投融資は慎重に取り組まざるを得ない」。
7月、大阪市で開いた総代会で、日生の松永陽介常務は表明した。
第一生命も5月に「当社は石炭火力関連の投融資の実績はなく、今後も海外の新規案件については実施しない。」(畑中秀夫常務)と表明。
海外でも仏アクサや独アリアンツ、スイスのチューリッヒ保険などの大手が相次ぎ投資撤退を表明しており、日経生保も世界の潮流に合わせ始めたといえる。
(日本経済新聞 2018/08/22)