
米国の長期金利上昇を受けて、外貨建て金融商品の発売が相次いでいる。
日銀の金融緩和で国内は超低金利が続き、相対的に利回りの高い外貨建て商品の人気が高まっているためだ。金融各社の収益押し上げに貢献する一方で、「買い手は為替変動リスクへの十分な理解が必要」との指摘も出ている。
三井生命保険と三井住友信託銀行は今月、保険料を毎回定額で払える「フラット外貨終身」をを初めて発売した。
これまでは為替レートが変動するたびに、円で支払う保険料も換わってしまう不安定さがあった。フラット外貨終身では、円安時の不足分を同社が穴埋めする。その代わり、円高が進んでも払い込む金額は変わらない、
太陽生命保険は中途解約した際の払い戻金の減額幅を押さえ、別の商品に乗り換えやすくした外貨建て個人年金を昨年7月に発売した。米金利上昇で、より利回りのいい商品に乗り換える契約者が多いためで発売以来の契約数は約5000件に達した。
ただ、外貨建ては為替変動リスクに注意が必要。円高が大きく進めば、償還時に円換算した価値が大きく目減りし、元本割れする恐れもある。
金利が上昇すれば債権は価格が下落するため、売却時に損が生じる可能性もある。
大和総研の土屋貴裕主任研究員は「長期運用や分散投資で、リスクを回避することが望ましい」と話す。
(毎日新聞 2018/05/26)