外貨建て保険、監督強化 誤解招く利回り説明を見直しへ

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金融庁が生命保険会社の外貨建て保険の監督強化に乗り出した。

超低金利の中で高利回りの外貨建て保険は高齢者らに人気だが、金融庁は利回りを高く誤解させる表示が一部にあるなど情報開示に問題があるとみている。同庁はすでに業界に問題点を指摘しており、各社は来春にも販売の際の資料を見直す方向だ。

今回問題になったのは銀行窓口で販売される「外貨建て一時払い貯蓄性保険」。契約時に保険料をまとめて払い、米ドルや豪ドルなどで運用。保険期間は10年ほどで、満期時に運用利回りを上乗せした金額が戻る。保険期間中は死亡保障などもつくが、事実上は資産運用商品だ。為替リスクがあり、満期時に円高ドル安になっていると戻る金額は円建てで目減りし、元本割れすることがある。

金融庁はこうした商品で説明される「利回り」の一部が誤解を招くとみている。

生保の説明資料では「積立利率」という言葉が使われる。契約初期費用や管理費を除いた積立金額に対する利率を示し、利回りが高めになるケースがある。金融庁は「積立利率の定義が募集資料で明確に説明されているケースはほとんどなく、顧客に誤解を招きかねない」(幹部)とみている。実質的な利回りが積立利率より0・75ポイントも低い商品もあったという。

金融庁は12月初めの生保業界との会合で、「商品内容の情報提供がわかりやすく行われていない」と指摘。実際の利回りを説明資料などで明確に顧客に説明するように求めた。投資信託のように過去の運用実績を明記することも促した。

日本銀行の金融緩和による超低金利で生保は国債などの運用が振るわず、円建て貯蓄型保険は販売縮小や停止が相次ぐ。各社は外貨建て保険の販売を強化しているが、顧客の苦情は増えている。生命保険協会の内部資料によると、2016年度は4年前の約3倍に達した。「元本割れするとは知らなかった」との苦情もあった。

(朝日新聞 2018/12/17)

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