
インシュアテック
金融とテクノロジーの融合と称した「フィンテック」と並んで、保険とテクノロジーの融合を意味する「インシュアテック」という言葉も、業界では一つのバズワードとなっている。
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米国で注目されているインシュアテックの事例としては、ネット経由で保険加入を簡易にするネット生保のほか、画像認識や参加交流型サイト(SNS)上のビッグデータ解析を活用して新規契約時の審査を簡易にするものがある。
これまでは、いったん加入してしまうと契約者と生命保険会社との結びつきは弱まってしまう傾向にあった。
これからはスマホ経由で契約者とつながり、生命保険会社がいつでもどこでも契約者に寄り添えるようになるだろう。
また、従来は契約時の健康状態を根拠に数十年の長期契約の保障を設定していたが、今後は契約後にも継続的に健康関連データを得ることで、さらにダイナミックな価格設定が可能になるかもしれない。
革新を生み出すテクノロジーはすでにそこにある。
技術的には実現可能だ。新しいサービスが社会に浸透するか否かは、それが人間の本能的欲求に直結して行動変容を促すことができるか否かにかかっている。
消費者アンケートの回答には表れない、人間に関する深い洞察と理解が欠かせないだろう。
(日刊工業新聞 2017/11/27)
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