
三井生命保険は2019年度にも、社名を「大樹生命保険」に変更する方針を固めた。
15年度に日本生命保険の傘下に入ったことで「三井」の名を冠することが難しくなり、新しい社名を検討していた。
90年以上続いた伝統ある商号を変えて再出発する。
来週にも正式に決定して発表する。新社名は三井生命が約50年前から展開している「大樹」シリーズにちなんで決めた。
大樹は顧客からの知名度も高いと判断した。社名に「日生」はつけず、コーポレートカラーは引き続き緑とする。
「三井」の商号は三井商号商標保全会が管理している。
三井グループの企業が株主構成を変えた際には同会が商号の見直しを検討する。
三井生命は日生が三井住友銀行などから約8割の株式を買い取り、15年度に買収した。
三井グループのルールでは商号変更が必要になるが、三井グループの顧客との関係や従業員への影響などを考慮。
同じ社名を使い続けていたものの、買収から3年が経過し三井グループから商号変更を求められていた。
三井生命は1914年に東京・銀座の商店主らが発起人となって発足した高砂生命保険が前身。
26年に三井合名が経営権を取得し、27年に三井生命に商号を変えた。
その後は三井財閥傘下の企業との強いつながりを生かし、団体保険や個人保険の契約を伸ばしてきた。
バブル崩壊後には財務内容が悪化し、契約者に支払うお金が運用益を上回る「逆ざや」に陥った。
現在は日生と運用ノウハウを共有するなどテコ入れを進めている。
(日本経済新聞電子版 2018/11/21)