
SOMPOホールディングスは2019年にも企業間の海外送金・決済事業に参入する。
仮想通貨を活用した国際送金を手掛けるIT(情報技術)ベンチャーに出資し、保険と組み合わせたサービス開発をめざす。
保険会社が送金・決済分野に参入すれば初めて。
フィンテック勢など異業種による日本進出も相次ぎ、既存銀行との競争は激しくなりそうだ。
アフリカや日本など10カ国で国際送金事業を展開するBTCアフリカ(ビットペサ、本社ルクセンブルク)に約5億7千万円を出資し、約10%の株式を取得する。
ビットペサは2013年にケニアで設立。
企業間取引で異なる通貨による代金の支払いをする際に、ビットコインを仲介した決済サービスを提供している。
送金側の通貨を取引所でビットコインに交換してから、受け取り側の通貨に瞬時に換える仕組みだ。
代用通貨のビットコインは保有しないため、通貨の暴落リスクは負わない。
複数の中継銀行による送金手続きを省くことで、為替手数料を抑える。
さらにブロックチェーン技術によって、従来は少なくとも数日を要していた送金時間が最短20分程度で済むという。
SOMPOは年内にもビットペサと実証実験を始め、送金・決済技術や事業ノウハウを吸収する。1
9年以降に両社が連携したサービスの開始をめざす。
当面はアフリカなど新興国に進出する日系企業の需要を取り込む。
(日本経済新聞 2018/11/09)