
明治安田生命保険と第一生命保険は今秋から、米国のそれぞれの子会社を通じて、相次いで商業用不動産分野への投資を始める。
海外不動産への投資は収益性の見極めが難しいが、買収した子会社のノウハウを活用する。
低金利で国債への投資が難しいなか、少しでも高い利回りが見込める分野に資金を回す。
明治安田が200億円、第一生命が100億円をそれぞれ拠出する。
いずれも同様の仕組みで、傘下の米生保が商業用不動産向けローンを組成し、その債権に対し、ファンドを通じてそれぞれ投資する形となる。
数年前に相次いだ国内生保の大型買収の効果が運用面でも出始めたといえる。
明治安田は2016年に米生保のスタンコープを約6200億円で、第一生命は15年にプロテクティブを約5700億円で買収した。
両社は米国内で1件あたり10億円未満の小規模施設への投資を得意とする。
プロテクティブでは今後高齢化に従い需要増が見込める介護施設なども対象とする予定だ。
複数の小口物件に投資することで、ローンの返済の延滞など1件あたりのリスクを抑えつつ、投資先を広げられる。
(日本経済新聞 2018/11/19)