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明治安田生命保険は、2017年に始めた中期経営計画が2年目に入った。
18年3月期連結決算は米国子会社の業績が伸び、本業のもうけを示す基礎利益が過去最高を更新する見通しだ。
一方、主力の国内は低金利環境が長期化し、生命保険会社の稼ぎ頭の一つだった貯蓄性商品の販売停止が相次ぐ。
市場縮小を招く人口減少にも歯止めがかからず、当面は難しいかじ取りが求められそうだ。
根岸秋男社長に成長戦略や商品展開などを聞いた。
―中計の初年度が終わりました。手応えは。
「グループ業績は米スタンコープの成長や利息配当収入の増加などが寄与し、堅調に伸びた。さらに、商品やサービスに対するお客さま満足度や職員の会社に対する満足度も引き上がった。これら3要素が全て上向きにそろったことを評価したい」
―一方、課題も見えたと思います。
「成長戦略としてシニア層の開拓を掲げ、外貨建て保険や50歳から加入できる終身医療保険を発売した。販売は堅調だが、期待した水準には届いていない。手薄だったシニア層の顧客基盤を早期に拡充し、営業職員に対する外貨建て商品の販売教育に一層力を入れる必要がある」
―商品戦略のポイントは。
「まず、保障性商品を充実させる。第1弾が就業不能をカバーする保険。成長が期待できる短期型商品を6月に発売する。さらに、外貨建て保険も拡充する。これまで持っていた一時払い商品に加え、若年層の長期的な資産形成に適した平準払い商品を18年度内に発売したい」
―健康増進保険の開発プロジェクトを進めてきました。
「標準生命表の改定を受け、19年4月に保険料を下げる。これに合わせ、加入者に健康増進活動のインセンティブを与える保険商品を投入する。これは健康診断結果を提出してもらい、良好であれば保険料の一部を返金するもの。営業職員チャンネルで販売し、顧客に寄り添って健康作りを応援する」
(日刊工業新聞 2018/05/17)