「節税保険」なお拡充

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

大手生命保険の定期保険を巡り、販売現場で「節税」がPRされ、金融庁が一部の商品設計を問題視している。

同庁は6月に調査に乗り出したが、各社はなお同種の商品を拡充している。

以前も節税目的の加入が目立った商品があり、国税庁が通達で事実上規制してきた。

ただ最近は通達に触れない商品が売り出され、販売が過熱している。

問題となっているのは、主に中小企業経営者向けの死亡定期保険の一部。

保障額は数億円で高額な保険料を支払う。

経営者の死亡リスクに備えるのが目的だが、保険料支払いで利益を圧縮して法人税の支払いを減らすため、経営者らが加入するケースがある。

こうした保険は途中解約すると、払った保険料の多くは返戻金として実質的に戻る。役員退職金の支払いなどに充てれば、返戻金への課税額を減らせる。

定期保険に節税目的で入る例はかつてもあり、国税庁は通達で、保険料の一部を経費に算入できなくするなどしてきた。

そこへ昨春、日本生命保険が新たに保険料を全額経費に算入できる仕組みの商品を発売。

節税したい経営者が加入するケースが相次いだ。この商品は年間で約5・2万件を売り、他社も追随して、市場規模は数千億円とされる。

生保側は、保障機能を重視しており、税制面は特徴の一つだとする。

ただ販売現場では「節税PR」が過熱している。

ある生保の内部資料では、契約者の7割以上が、返戻金が最も高額となるタイミングで解約すると想定していた。

事実上途中解約が前提と受け取られ、「万が一の保障」という保険の趣旨を逸脱しかねない。

金融庁は、途中解約での返戻金が不自然に多い商品もあるとみており、6月、一部商品の設計に問題がないか調査に乗り出した。

今後も必要な行政措置を検討する。

(朝日新聞 2018/08/22)

関連記事

おすすめ記事

  1. 2017-4-11

    介護休業中の給与補償 三井住友海上 下旬に新型保険

    三井住友海上火災保険は介護に伴って給与が減ったり、無給になったりした際に所得を補償する保険を4月下旬…
  2. 2018-2-15

    日本生命の4~12月期、基礎利益8%増 法人向け保険が堅調

    日本生命保険が15日発表した2017年4~12月期の連結決算は、本業のもうけを示す基礎利益が前年同期…
  3. 2017-4-12

    仏パリバ系に出資(三井住友信託)

    三井住友信託銀行は2018年度中に設立される仏保険大手BNPパリバ・カーディフの日本法人に、20%出…
  4. 2017-2-22

    金融庁、生保に不信、「地銀の経営、大株主として監視を」

    生命保険業界が金融庁幹部の発言に揺れている。 主な生保会社は上場地銀の株式を数多く持つ「地銀界の大…
  5. 2018-2-26

    明治安田、300万人に増配、死亡率低下分還元、他の生保追随も

    明治安田生命保険は2017年度分の個人保険の契約者配当を増やす方針を固めた。 総額約70億円と11…

新着記事をメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、記事更新をメールで受信できます。

2,665人の購読者に加わりましょう

おすすめの電子書籍

新着記事をメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、記事更新をメールで受信できます。

2,665人の購読者に加わりましょう

ページ上部へ戻る