保険契約、暴排で解除「有効」 高裁岡山支部判決

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保険会社が約款に含まれる暴力団排除条項に基づく保険契約を解除有効

​保険会社が約款に含まれる暴力団排除条項に基づいて保険契約を解除したことの有効性が争われた訴訟の判決で、広島高裁岡山支部が解除を有効と認める判断を示し、確定していたことが分かった。

関係者によると、保険契約での暴排条項の有効性を認めた判決は知られておらず、保険分野での暴力団排除を後押しする司法判断として注目されそうだ。

生命保険、損害保険業界内には暴排条項による契約解除の実績を既に多く積んでいる社もある

ただ、解除が法律的に有効かどうかについては保険法の求める契約者保護の観点などから疑問視する見方もあり、専門家の間で意見が分かれていた。

一・二審判決によると、訴えを起こしたのは岡山県の建設会社。

2014年に代表取締役の男性を被保険者、会社を契約者として生保、損保各1社と保険契約を結んだ。

契約後、男性と暴力団幹部との交友が確認されたことを理由に岡山県が建設会社を県発注工事の指名から除外。

保険契約の内容を示す約款には契約者や被保険者、保険金の受取人が「反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係」にあると認められる場合に適用される暴排条項があり、両社はこれを根拠に契約を解除した。

建設会社は解除を不当として両社を提訴

「暴排条項は、契約者が保険金の不正請求を行う可能性が高い場合などに限って適用されるべきで、解除は無効だ」などと主張していた。

17年8月の一審・岡山地裁判決は保険契約の暴排条項について「限定的に解釈すべきではない」と指摘。男性と暴力団幹部の交友関係などから暴排条項に基づく解除を有効と認め、請求を棄却した。

二審・広島高裁岡山支部は18年3月の判決で、男性が知人に「反社会的勢力との関係を積極的に誇示していた」とし、社会的に非難されるべき関係にあったと認定。

解除を有効とし、建設会社の控訴を棄却した。同社は上告せず、保険会社側勝訴の判決が確定した。

暴力団排除の実務に詳しい大野徹也弁護士は「保険金の不正請求の恐れの有無にかかわらず、暴排条項の有効性を認めた判決だ」と評価。

「保険会社の実務を肯定した形の判断で、暴力団排除の推進につながる」と話している。

(日本経済新聞 2018/05/31)

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