
がんゲノム医療
厚生労働省は、がん患者の遺伝子変異を調べ、効果が見込める薬を選ぶ「がんゲノム医療」用の検査システムの販売を初めて承認することを決めた。1カ月程度で医療機器として正式承認し、その後に公的医療保険も適用し数十万円かかる患者の検査費負担が軽減される見通し。
4月に始まった全国約150施設が参加するがんゲノム医療の本格普及に向けた一歩となる。
同省の専門家部会が承認の意見をまとめたのは、シスメックスと中外製薬の二つの製品。
主に試薬とデータ化解析ソフトで構成され、科学的に確立された治療法を受けたが効果がなくなった患者や、確立された治療法がない希少がん、小児がんなどの患者が対象になる。シスメックスの製品は114種類、中外製薬の製品は324種類の遺伝子を調べられる。
厚労省はゲノム医療を通じて集めた遺伝子変異や治療のデータを新薬開発にも活用し、薬にたどりつける患者の割合を向上させたい考えだ。
(毎日新聞 2018/12/17)