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国立がん研究センターは11日、2011年にがんと診断された人の3年後の生存率を初めて公表した。
これまで約10年前に診断されたがん患者の5年生存率を公表してきたが、最新に近い治療を受けた患者の状態を把握するため、5年分のデータがそろうのを待たず算出した。
全体の3年生存率は71.3%。前立腺がんは99.0%、女性の乳がんは95.2%と高かった一方、治療が難しいとされる膵臓(すいぞう)がんは15.1%と他のがんより大幅に低かった。
全国の「がん診療連携拠点病院」など268施設の患者30万6381人のデータを集計・分析。
日本人に多い「5大がん」(胃、大腸、肝臓、肺、女性の乳房)など11種のがんについて、進行度を示すステージ別に、がん以外の病気や事故で死亡する割合を除いた「相対生存率」を算出した。
5大がんでは、肝臓と肺の生存率が比較的低く、胃は進行すると生存率が大きく下がった。
乳がんは生存率が高いが、若い患者が多いことも関係していると考えられるという。
がんは5年生存率が治癒の目安とされることが多い。
3年生存率について、同センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「新しい治療法の効果を含むタイムリーなデータを提供した。
今後、同じ患者の5年生存率が出れば、対比することで、より早い段階で治療成績などの判断ができるようになる可能性もある」と話す。
データはウェブサイト「がん情報サービス」(https://ganjoho.jp)で確認できる。
(毎日新聞 2018/09/12)