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フリーランスの経済規模が拡大している。
クラウドソーシング大手のランサーズ(東京・渋谷)が4日に公表した調査によると、総報酬額から推定した経済規模は18年に初めて20兆円を超えた。
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3年前に比べ4割多い。17年の雇用者報酬(約274兆円)の7%に相当する。
企業に所属しない人のほか副業をする会社員も増えるなど、柔軟な働き方が広がってきた。
インターネットを通じた「フリーランス実態調査」を2月中旬に実施し、フリーランスを含む3096人から有効回答を得た。
企業に雇用されている人が別の会社の仕事をする「副業」や、複数の企業に雇われる「複業」も対象に含めた。
推定経済規模は前の年に比べ9%増の約20兆1千億円。
個人の平均報酬が186万円と12%増えた。
ライフネット生命保険で採用担当を務める篠原広高さん(34)は週に一度、大学講師をする。
大学卒業後、人材支援会社に就職した後に独立。
フリーランスで6年間、新卒の支援事業をして培ったスキルを評価されて今の会社の正社員になった。
大学講師はフリーランス時代から続けている。
ライフネット生命は申請に基づき副業を認める。
システム運用などをしながら週2日、フリーランスのIT(情報技術)コンサルタントとして働く人もいる。
「副業ノウハウを社内で広める活動も進める」(篠原さん)
都内で働く谷畑朋美さん(25)は2月に副業を始めた。
化粧品関連の会社で働きながら隙間時間を使い女性向けスマートフォンアプリのスタートアップ企業でPRを手掛ける。
「知見が広がり本業にもプラス」という。
フリーランスの職種にはITエンジニアやデザイナー、ライターなどがある。
最近は「営業や人事、経理など専門型の職能を生かす人が増えている」(ランサーズの曽根秀晶取締役)
広義のフリーランスで働く人の数は1119万人と前年比横ばいだったが3年前と比べると2割多い。
総務省の労働力調査によると17年の就業者数は6530万人だ。
フリーランスには専業主婦なども含むため単純比較はできないが、人数も報酬額も無視できない規模になってきた。
(日本経済新聞 2018/04/05)