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夏の冷房で手足が冷えてしまい、「冷え性」に悩んでいる方も多くいらっしゃいます。
なぜ、冷え性はなかなか改善しないのでしょうか。冷え性が起こる原因や冷えない体を作る方法を解説します。
冷え性の症状とは?
他の人が寒い・冷えると思わないような状況でも寒さや冷えを感じるのが冷え性ですが、温度に対する感じ方は人それぞれであり、厳密な冷え性の定義はありません。
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全身が冷えた感じがする場合もあれば、手足など体の末端に近い部分や、腰・お腹が冷えるという場合もあります。
夏でも靴下やひざ掛けが手放せない、冬は電気毛布やカイロがないといられないというような状態です。
我々の体中に自律神経という神経が張り巡らされており、臓器の働きや呼吸、汗や血管の開き具合などを無意識のうちに調節しています。
自律神経には交感神経と副交感神経の二種類があり、交感神経は体が活動し興奮している状態で働くのに対し、副交感神経は体が休みリラックスしている状態で働きます。
交感神経と副交感神経は体の表面に近い血管の開き具合の調節にも関わっています。血管が開けば温かく感じ、閉じれば皮膚の温度は下がり冷たく感じます。
この自律神経のバランスが崩れ、必要以上に血管が閉じ気味になってしまうことが冷え性の一つの原因と考えられます。
一般的に冷え性というと男性より女性、それも若いやせ型の女性に多いイメージがあると思います。女性は男性に比べ筋肉の量が少ないですが、筋肉は動くときに多くの熱を作り出します。
冷え性の原因とは?
冷えを解消するためには、「体内で熱を作る」「体から体温が失われにくいようにする」「自律神経のバランスを整え、末梢の血管を開く」ことが必要です。
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体内で熱を作るためには、過剰なダイエットは避け、炭水化物・タンパク質・脂肪といったエネルギー源を食べること、また、エネルギーを作るために必要なビタミン(特にビタミンB)を取ること、筋肉量を落とさないように運動をすることが必要です。
また、夏が旬の作物(キュウリ、スイカなど)は体を冷やすと言われており、生姜やトウガラシは体を温めると言われています。
体から体温が失われにくいようにするためには、長袖や長ズボン、靴下を夏でも活用したほうがよいでしょう。
首・手首・足首など、首と名のつくところを冷やさないことが効果的と言われています。
夏でもオフィスの冷房に悩まされる方は多く、冷え性の女性社員と温度を下げたがる男性社員との間でトラブルになることもありますが、改善要望が通らないようなら、下着や上着を調整したり、座布団やひざ掛けを使うとよいですね。
また女性は月経で鉄分を喪失し貧血になりやすいですが、貧血があると酸素やエネルギーが有効に体の末端まで届けられずに冷たい感じがすると考えられます。
体に脂肪が少なくやせていると、体の熱が失われやすく、冷えやすくなります。
更年期の女性はホットフラッシュと言われる火照り・のぼせがありますが、頭や体の中心は熱いのに手足は冷たい感じがするという場合もあり、これは自律神経の異常によるものと考えられます。
冷えないからだを作るには?
また、タバコに含まれるニコチンは体の末端の血管を締めて体表温度を下げます。冷えを感じる方はタバコをやめるか減らすようにしましょう。
「自律神経のバランスを整える」ためには、規則正しい生活や定期的な運動が効果的と考えられます。
冷え性が原因となる病気とは?
東洋医学・漢方医学では、冷え症は個人の体質を表す重要な症状の一つと考えられていますし、「冷え性だと生理痛が重くなりやすい」「冷え性だとお産がうまく進みにくい」「冷え性だと不妊になりやすい」などはよく聞かれます。
しかし西洋医学では、冷え性は病名ではなく、不定愁訴の一つとしか考えられない場合が多かったという歴史があります。
冷え性の有無や程度について客観的に評価する方法がないため、研究もされてこなかったのかもしれません。
また、民族的なものか、欧米人は冷えを自覚することが少ないとされ、西洋医学では問題とされなかったという面もあるでしょう。
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