“線虫がん検査”解析数アップ 日立、新装置開発 1日に検体100以上

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日立製作所は4日、体長約1ミリの線虫に人の尿の臭いを嗅がせ、その反応からがんを発見する検査向けの自動撮像装置を開発したと発表した。

九州大発ベンチャー企業のHIROTSU(ヒロツ)バイオサイエンスと共同研究を進め、2020年1月に検査を実用化する。費用は1回数千円を予定しており、体への負担が少ない、低価格の検査法として普及が広がれば業績への貢献も大きそうだ。

日立が開発した新型装置は、同社基礎研究センタ(埼玉県鳩山町)内に今月2日に開設した共同実験室に設置した。

開発した装置は、線虫と尿の配置に加え、線虫の動き方の撮影や結果の解析を自動で処理する。

最大の特徴は解析速度。

自動撮像機能を持たせたことで従来の装置に比べて、20倍となる1日当たり100以上の検体解析が行える。

ヒロツバイオはこれまでにがん患者らを対象に900の検体解析を終え、うち約90%のがん検知精度を確認。同社によると胃や大腸、肺など18種以上のがんを検出できているという。

ヒロツバイオは、日立の新たな解析装置を活用して、さらに検体解析の精度を高め、早期の実用化に近づける考えだ。

線虫は、犬並みに嗅覚が鋭く、がん患者の尿に近づく一方、健常者の尿からは逃げる性質を持っており、この特性を検査に利用する。画像診断などで見つけにくい病巣を、1滴程度の尿で早期に発見できる。

線虫は安く大量に増殖できるため、検査の基礎費用は1回数百円程度にとどまり、装置のコストや人件費を加えても検査は数千円に抑えられるという。

日立は、ヒロツバイオとの共同研究とは別に、今年4月、尿検査でがんにかかっているかを判別する実証実験を9月まで実施すると発表。

小児がんと胆道がん、大腸がんが対象で、250人分の検体を使用し、がんによって増えたり減ったりする特定の代謝物を解析する。

早ければ20年の実用化を目指す考えで、実現すれば、自宅で採取した尿を検査機関に送り、結果をスマートフォンのアプリで受け取れるようになり、がんの早期発見に役立つことになる。

日立は16年に、今回、実証実験を始めた技術を開発したと発表。乳がんと大腸がんを対象に準備していたが、検体が多く集まったため、小児がんなどを先行させた。

ほかのがんにも応用できるか研究し、医療分野での貢献を業績拡大にもつなげる。

(フジサンケイビジネスアイ 2018/07/05)

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