
68歳の男性です。膀胱がんと診断され、膀胱全摘術をして人工膀胱を作る必要があるといわれましたが、セカンドオピニオンを受けたことで膀胱温存療法が可能とわかり膀胱全摘術・人工膀胱を避け、生活の質を保つことができた方のお話です。
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ある日突然、赤い色の尿が出ました。
変だと思いましたが、数日すると無色の尿に自然に戻り痛みもないので病院へは行きませんでした。
すっかり忘れていた頃、再び赤い色の尿が出て、さらに尿を出すときに下腹部に違和感が生じるようになったので、やはり何か病気かもしれないと心配になり近くの病院で詳しい検査を受けることになりました。検査の結果、浸潤性膀胱がんと診断されました。
お医者さんからは、
「このタイプのがんだと膀胱を全部とるしかないですね。膀胱がんは転移しやすいんですよ。」
「膀胱を全部とってしまうと、今までのように排尿できなくなるのでおなかに出口を作ってそこに袋を貼って尿をためる生活になります。慣れると結構簡単ですよ。大丈夫。」
と言われ愕然としました。
膀胱を全摘してしまうと、尿をためる機能、排出する機能が失われるため尿路変更術が必要となります。括約筋(かつやくきん)がないのでどの方法でも今までのように尿意はなくなります。
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子供や孫も大きくなり、残された余生を夫婦で楽しくすごしたいと思っていた矢先に、尿をためる袋をつける生活を想像することは苦痛でした。現実を受け止めきれず他の病院へ行きましたが、やはり膀胱を全摘するしかないと言われました。
やっぱり、膀胱をとるしかないのか
とあきらめたころ、医療保険に加入したときお世話になった、保険代理店の方から聞いていた、セカンドオピニオンサービスを思い出し電話したのです。
実は、家族にも話しにくい不安や、膀胱を失いたくないという思いを伝えるとセカンドオピニオン先として、ある病院を手配してくれました。
紹介された病院の医師は、私のがんのタイプや治療など大変わかりやすく説明し、
「膀胱を残せる可能性がありますよ。陽子線という放射線治療と抗がん剤を併用した膀胱温存療法というものがあります。」
と言われ、あきらめかけていた私には希望の光のように感じられました。
紹介先の病院で陽子線療法を利用した膀胱温存療法を受けたのですが化学療法を含む様々な治療のステップがあり、約3ヶ月程度の入院生活は全くつらくなかったといえば嘘になります。
しかし、もしあの時、セカンドオピニオンを受けていなかったら、当たり前の生活を送れることに感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました。
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膀胱温存療法とは、経尿道的膀胱腫瘍切除手術(TURBT:尿道から内視鏡を挿入して内視鏡用電気メスで切除)で可能な限り切除した後、化学療法、放射線療法をなどを組み合わせて行われています。細かい治療内容は病院施設間で多少異なります。
この事例のように病院施設によって温存療法の治療後、再発予防として腫瘍部位に陽子線治療を行うことがあります。陽子線治療は、放射線治療の一種で、正常な細胞を避け体の深いところにあるがん細胞を効果的に壊すため、がんをピンポイントに狙えるという特徴があります。
あなたの保険は、「セカンドオピニオンサービス」を受けられますか?
お金の心配をしないで、先進医療を受けられますか?
一日いくらの入院給付金が出るなどという、商品のスペックよりも、無料で付加されている「健康医療相談サービス」(セカンドオピニオンサービスはこの中に含まれる)の方が、重要だったりします。
そしてこのサービスの中身は、保険会社によってだいぶ差がありますから、加入検討の際には、よく聞いておいたほうが良いと思います。
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