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高齢者の占率の増加という年齢構成のアンバランスの問題と、高齢者自体の年齢構成の高齢化、という2つの高齢化問題があります。
猛烈な勢いで日本国の二重の高齢化は進んでゆきます。
60歳満期・65歳満期といった保険商品を販売している限りに於いては、高齢者は生命保険会社の顧客ではなくなっていますので、高齢化問題は生命保険会社のビジネスには大きな影響を与えません。
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しかし今は、医療保険・がん保険を始め終身にわたって保障を提供する保険商品が一般的になっており、加えて、加入条件緩和型の生命保険契約があるために、加入時点で既に後期高齢者という事も普通になってしまいました。
2026年には高齢者の20%が認知症と予測されています。
わずか10年後の話です。
高齢化社会の進展に伴って進むのが単独世帯(独居老人)の増加です。
認知症の人の増加と独居老人の増加の二つを取り出しただけでも、近い将来の保険会社のお客さま対応が非常に大変な事になるのは容易に想像がつくと思います。
既にその兆候は現れ始めています。
例えば、保険契約の締結に際して、「判断能力が欠如している人が為した契約行為」は、無効にされる可能性が極めて高いはずです。
だとすると、判断能力が欠如している人からの解約申出をそのまま処理してしまうと、「その解約は無効」とされる判断も有りえそうです。
仮にそうだとすると、解約処理後に入院・手術・死亡という保険事故が生じた場合に、「判断能力が欠如した状態で行われた解約は無効だから、保険金・給付金を支払え」というような係争案件が増えるのかもしれません。
更に言えば、認知症で記憶が薄れている事と判断能力の欠如が直接的に結びつくのか、という問題もあります。
認知症が進んでゆくと、最終的には全てが記憶から消えてしまいます。
その時、もしそのお客さまが介護施設で生活しており、日常的に家族とのコンタクトを取っていない人だとすると、せっかく加入した生命保険契約が役に立たない可能性が出てきます。
超高齢社会の進展に伴い今後の生命保険業界が困惑する場面は、
などが考えられます。
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