
個人信託専門の朝日信託(東京・千代田)は、遺言の文案を自動作成できるシステムを開発した。
10月から信託業務で取引のある地方銀行などに提供する。
営業担当者に相続法や税務の専門知識がなくても顧客に具体的な提案ができるようになり、遺言信託や生命保険などの契約が伸びるとみている。
不動産や預貯金といった財産の目録、それぞれの相続人の相続割合などをシステムに入力すると、遺言が作成される。
相続税の試算もできるため、顧客は節税のための生命保険、生前贈与などを検討できる。
遺言信託は遺言の作成から相続のときの遺産分割の実務までを総合的にになう業務。
地銀はこれまで朝日信託に顧客を紹介するだけだったが、自行で遺言の文案作成まで手がけることで手数料収入を増やせる。
朝日信託はグループの税理士法人と組んで遺言信託業務を展開。
提携先である地銀や信用金庫など約80の金融機関を通じて年間約1600件手がけている。
システム利用料金は、1行当たり初期費用が100万円、維持費用が年間10万円。すでに地銀数行が導入に向けて検討しているという。
(日本経済新聞 2018/09/07)