
目次
X線は、1895年ドイツの物理学者 ヴィルヘルム・レントゲン博士により偶然発見されました。
真空管に高い電圧の電流を流す実験(陰極線の実験)をしているとき、黒い紙でしっかりと覆われているのに、近くにあった蛍光板が発光していることに気がついたのです。
スポンサーリンク
そこで、「不思議な未知の放射線」という意味で「X線」と呼び始めたのです。
この目に見えない未知の放射線は紙や木は透過する性質を持ちますが、人の骨や金属に対しては透過しにくい性質を持つことが次第に分かりました。
そして、彼の妻の手で試したところ骨と指輪が映りました。
世界初の人体のレントゲン写真はなんとレントゲン夫人だったのです。
現在も「レントゲン検査」「レントゲン写真」と言いますが、「レントゲン」とはX線を世界で最初に発見した博士の名前からきています。
その後すぐ、1896年には乳がん、1899年には皮膚がんに対し放射線治療が実際に行われています。
放射線ががんに効く仕組みは、がん細胞 と正常細胞 の、放射線に対する感受性の違いを利用しています。
がん細胞は放射線で死滅しやすいのです。
放射線はDNAの鎖を切断する作用があります。
従って放射線治療は、適切な線量を複数回に分けて照射することで、正常細胞のDNAがダメージから回復するのを待ち、がん細胞を壊すことで成り立ってきました。
がん細胞は、分裂を際限なく行っているため正常細胞よりも放射線による影響が大きく、受けたダメージを修復しにくい傾向があります。
放射線治療にも様々なものがあります。
放射線治療の課題は、いかに正常組織を避けてがん細胞にのみ放射線をあてるかということになります。
そうすることにより、体の負担が少なく、副作用も少ない治療が可能になります。
放射線をがん細胞に集中させて照射線量を増やし、がんのまわりの正常細胞への放射線の当たる量を減らすために、これまでに様々な開発がされてきており、さらに進化する方向です。
2000年 IMRT(強度変調放射線治療)臨床導入
2001年 陽子線治療が先進医療として承認される
2003年 重粒子線治療が先進医療として承認される
スポンサーリンク