
目次
- 1 自分のことを考えてみても、人が消費者になる、つまり何かを買うという行為をすることは、日常的に行っていることです。
- 2 生命保険は買っていただくのが難しい商品です。
- 3 すべての商品やサービスについて、お客さまは、何らかの気持ちで心が動いて、物を買うという行動に出ます。
- 4 人がモノを買う理由は、さまざまです。
- 5 これには二つのことが考えられます。
- 6 答えは、「不満」「不安」「不足」といったものです。
- 7 では、家の次に高額な買い物といわれている保険はどうでしょうか。
- 8 ほとんどの商品の場合、保険のような高額商品と違って、不満を喚起するというプロセスはなく、必要性でだけで購入に至ります。
- 9 ニーズが潜在化しています。自分から探さなければ、新しい生命保険商品が気になることもありません。
- 10 生命保険は「不満が喚起」されないと購買行動は起きません。
自分のことを考えてみても、人が消費者になる、つまり何かを買うという行為をすることは、日常的に行っていることです。
その商品・サービスをなぜ買うのかということは、あまり考えずに行っていることが多いものです。
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ここでは、人が、なぜ物を買うのか、どんな深層心理で購買にいたるのかということをしっかり考えてみたいと思います。
生命保険は買っていただくのが難しい商品です。
この購買心理を理解している生命保険営業と、理解していない生命保険営業の業績には大きな差が出てしまいます。
「人はなぜモノを買うのか。」この理由が分かってくると、見込客のニーズについて先入観を持たずに、会話の中で見込客が関心のあるニーズを引き出して、それをうまく使いながら、商品購入にたどり着けるように導くことができるのです。
これは生命保険の販売に限定されません。
すべての商品やサービスについて、お客さまは、何らかの気持ちで心が動いて、物を買うという行動に出ます。
あなたは、なぜその美容院に行くのですか。
あなたはなぜその店で食事をするのですか。
家や、車のように、高額な商品を買ったときはどうでしたか。
何か理由があって選んだんですよね。
実は、人がモノを買う理由は、人それぞれです。あなたと同じではありません。
その理由も他人から見ると、「えっ、そんな理由で?」というものあり、中には本人が気がついていないこともあるのです。
人がモノを買う理由は、さまざまです。
まずは、人それぞれ購買理由が違うということを理解して、お客さまに接するべきだということになります。
人がモノを買うさまざまな理由、つまりニーズを引き出すことができれば、商品購入につなげることができそうだということになります。
では、ニーズはどの段階で出現し、購入に影響を与えているのでしょうか。
これには二つのことが考えられます。
1、必要性⇒選択⇒決定⇒購入
例えば、日用雑貨で、トイレットペーパーはどうでしょう。
無くなってしまったが、次の給料日まで待っていようとはならないはずです。
必要なので買うという商品ですよね。
せいぜい検討するのは値段と色や肌触りくらいですよね。
2、欲求⇒選択⇒決定⇒購入
もう一つのパターンは、買いたいという欲求が沸いて購入にいたるケースです。
実はこれにはもう一つ前段階の気持ちの動きがあります。こうです。
○○⇒欲求⇒選択⇒決定⇒購入
この○○で示された気持ちを自覚すると、欲求が沸き起こり、選択決定し、そして購入にいたります。
この「気持ち」とはいったいどういうものでしょうか。
答えは、「不満」「不安」「不足」といったものです。
今持っているものに不満がある。今持っているものではいざというときに不安である。今持っているものではできないことがある。などの気持ちの状態になったとき、欲求が沸くのです。
これは、高額な商品を考えてみていただくと理解できると思います。
「時計は持っているが、同僚や先輩が持っているような高級時計がほしい。」
「人の視線を集めるようなスポーツカーがほしい」
「庭付き一戸建ての自宅がほしい」などなどです。
では、家の次に高額な買い物といわれている保険はどうでしょうか。
このことを保険に置き換えて考えてみると、今の保険に満足できないと思った瞬間に、「モノを買うときの心理プロセス」に入るのではないでしょうか。
「今の保険では入院したら費用がかさんで、貯蓄を取り崩さねばならない。」
「今の保険では、自分が死んでしまったら家族を守れない、家族が路頭に迷うかもしれない。」
「今の保険では・・・」どこどこが不満、不安、不足だと思った瞬間に、保険の見直しなり、新しい保険の購入に向けた検討に入るのです。
現状に対する不満が喚起される、つまりその人それぞれのニーズが掘り起こされない限り、購入にいたるプロセスには入らないということなのです。
ほとんどの商品の場合、保険のような高額商品と違って、不満を喚起するというプロセスはなく、必要性でだけで購入に至ります。
これらは、例えば値段とかで比較販売すればよく、いくつかの商品を並べて、機能と値段のバランスで比較選択されて、購入にいたります。
自動車保険のような損害保険は、1年更新で必要性を感じる時期もあり、そういう意味では比較販売商品に近いもので、不満を喚起される必要がありません。
生命保険はどうでしょうか。こちらは、何もしなくてお客さまが不満をもつことはありません。販売が難しい商品といわれる所以ですよね。
ニーズが潜在化しています。自分から探さなければ、新しい生命保険商品が気になることもありません。
テレビコマーシャルなどを見たとしても、特に今が健康な状態であれば、既に加入している保険に不満が喚起されることもありません。
人は、普通「死」について意識的に考えたいとは思っていません。
通常は、死を連想させたり、重い病気をイメージする生命保険は、「今日入らなくても大丈夫」と、先送りしがちなものです。
ですから、目の前の見込客には、不満・不安・不足を認識させることが重要になってくるのです。
ニード喚起が先、という点で、生命保険営業は、他の営業とはまったく異なったスキルが必要になってきます。
生命保険は「不満が喚起」されないと購買行動は起きません。
では、どのようにニード喚起すればいいのか、生命保険営業では、何をしないといけないのか。
それは、お客さまの問題点を指摘するということに尽きるのではないでしょうか。
それにしても、誰だって、「あなたの加入している保険は、ここがダメ」とは言われたくないですよね。
そんなこと面と向かって言われたら、私だって、「さっさと帰ってくれ」と怒鳴ってしまいます。
ではどうしたら、上手にお客さまの問題点を指摘することができるのでしょうか。