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- Ⅳ.好意を示すとは, 営業の心理学
- 6.バーナム効果を利用する

目次
誰にでも当てはまる曖昧な質問を投げかけたとします。
するとその質問が自分に投げかけられた質問であるかのように思ってしまうことがあります。
これを、バーナム効果といいます。
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例えば、
「今の状態では、将来の老後生活が不安なあなたへ」
などというと、この「今の状態では」という部分がバーナム効果になり、ああ、自分のことをいっていると思ってしまいます。
「今の状態」は、当然人によって違います。
サラリーマンか自営業者か、若者か高齢者か、男女差や貯蓄額の差なども違うはずです。
それなのに、あいまいな表現の中では、自分のこととして受け止めてしまうことが多いのです。
血液型占いなどは典型です。
「A型」はこれこれの性格と、誰にでも当てはまるようなあいまいな表現で言われれば、自分が「A型」であれば、なるほどとうなずいてしまうものです。
ちなみに 「A型の性格」と検索してみましょう。
周囲との和を大切にする慎重派タイプ⇒組織に属する、学生や社会人なら誰でもそうあるように教えられている
長所 責任感が強く、自分が一度やると決めたことは、少々の困難があっても粘り強くやるとげる。⇒やると決めるか決めないかが問題なのに
多少時間はかかるが、慎重に目標に向かって確実に歩み寄る。⇒目標の達成には言及していない
時間には几帳面で、約束事もキチンと守る。⇒人によってレベル間は違う
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短所 慎重になりすぎて必要以上に用心深くなり、あれこれ悪いことばかり考えてしまうクセがある。⇒人間本来の危機管理能力
周囲との和を保とうとし、そのためまわりに細かく気を使いすぎる部分がある。⇒長所ともいえるはず
自分に対するまわりの評判をいつまでも気にしている。⇒みんな評判は気にする。いつまでもは、1時間か1週間か1ヶ月か。
このようにどのようにでも考えられ、当っているともいえるが、突っ込みどころもいっぱいあるのに、なんとなく当っていると思ってしまうのは、バーナム効果で成り立っているからというわけです。
私たちの仕事でもバーナム効果を利用することができます。
漠然としたあいまいな表現で、お客さまをその属性に取り込んでしまうことは簡単なことです。
「将来の老後生活に不安」
「大病を患ったときの生活保障に不安」
「もし万が一のことが起きたときの家族の生活が不安」
そのような人は、ほぼ全員なので、その表現に当てはまる属性の人も全員なのです。
だから「将来の老後生活に不安」なあなたのために開発した新商品ですという説明で、自分のことだと思ってくれるわけです。
続けて「そんな不安を持っている皆さんが、早いうちから生命保険を活用した貯蓄を始められています」と言うと、
自分もその「皆さん」の中に入らなければ大変なことになってしまうと感じてくれるのです。
社会性の原理も応用されていますよね。
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