- Home
- Ⅱ.与えまくることで人を動かす, 営業の心理学
- 4.高いものイコール良いもの
4.高いものイコール良いもの
- 2017/2/27
- Ⅱ.与えまくることで人を動かす, 営業の心理学
- 固定的動作パターン

目次
固定的動作パターン(本能行動)
動物を考えてください。オスメスは互いに惹かれあい、つがいになり生殖行動を起こすように本能的に決まったパターンの行動をします。
スポンサーリンク
思考によってではなく、何も考えずに行動しているです。鮭が生まれ育った川に戻ってくるとか、よく知られている特定の行動を取るように、ある刺激に対して決まった行動をすることを固定的動作パターン(本能行動)といいます。
この固定的動作パターンは人間にも当てはまります。
人は、良いものを安く買いたいという心理が働き、同じものならできるだけ安いものを買うようにします。もともとそこには、「高いものイコール良いもの」という考えがあります。
日ごろの平均的な値段と比較して安すぎると、「これは何か怪しい、大丈夫なのか」と心配することになります。
高価なものは品質が良いものであると考え、例えば「100万円の宝石」と「50万円の宝石」では、「100万円の宝石」形も品質も大きさを50万円のものよりは間違いなく良いものであると思ってしまいます。
素人には宝石鑑定の技術はあまりないはずですが、人は「高いものイコール良いもの」と反射的に思ってしまいます。
これは固定的動作パターンの一種なのです。
この宝石ように値段が曖昧な商品は、固定的動作パターンを計算づくで、値段操作が行われているかもしれません。
値引き幅がやけに大きいものなどはその典型と思われます。
毎日のようにテレビで宣伝されている、ダイエット系のサプリメントなどはどうでしょうか。
同じ品質のサプリメントだとします。片方は3万円の値段が付いています。もう一方は、3千円だとします。どちらが効能があるように思えるでしょうか。
このような商品では値段の差でありがたみが違ってくるのです。
生命保険商品には値引きなどありません。
しかしよく今加入している生命保険料を下げたいという相談は多くあります。その人たちは、内容は今加入しているものと同じかそれ以上の範囲を保障してくれて、保険料は安く済ませたいといっているわけです。
しかしよく考えてみれば、「高いものイコール良いもの」なので、1000万円の保障より3000万円を保障する商品は、保険料は高くて当たり前だと理解しています。
保険種類と保険期間を検討すれば、お客さまの希望する保障を安い保険料で加入する可能性はあると説明することになります。
お客さまにとってみれば、内容の良く分からない生命保険という商品は、値段が曖昧な商品だという感覚で捉えている傾向があります。
家具や野菜など、ある程度値段の相場が決められている商品であっても、値段を上げるだけで高級感が出ます。品質が良い事が前提ですが、日本国内で売られている生命保険商品の品質はまったく問題のないものです。
宝石のように、値引きも値段操作もできませんが、人生の中の買い物としては、家の次に高価な買い物は生命保険です。
「高いものイコール良いもの」という風にお客さまは思っているわけですから、しっかりと説明をして高級志向な商品を提供するべきです。
そして高級商品を安く買えたというのは、私たちが与える情報によってそう思ってくれるのです。
相手にとって価値のある情報を与え、内容の充実したコンサルティングを繰り広げることで、他者との差別化を図ることは、自分自身がブランド商品として、他のブランドよりも圧倒的に高い値段のサービスを提供してくれるというイメージを与え、あなたを評価してもらえることになります。