3.最初に安い商品を売ることは有効か
- 2017/2/27
- Ⅲ.社会的証明, 営業の心理学
- ドア・イン・ザ・フェイス, フット・イン・ザ・ドア

目次
化粧品などの宣伝で、本来5,000円の商品が、今だけ500円で2週間分の試供品を提供しますというようなものを良く見かけます。
実際には、500円で購入した人にあとから5,000円の本来売りたい商品の定期購入を勧めるのです。
スポンサーリンク
小さなお願い事から入り要求を上げていくと、受け入れてくれる確率が高くなります。
人は一度その行為を行うと、一貫してその行動を取り続けるという特性があります。
この特性を利用して、小さなお願いごとから本当の要求を引き出すことをフット・イン・ザ・ドア・テクニックといいます。
最終的な目標は、商品の定期購入なのですが、始めは小さな頼みごとから行うというテクニックは、ビジネスの場ではよく行われます。
まったく無料の試供品や試食品の提供はこのフット・イン・ザ・ドア・テクニックを利用しています。
通常1,000円以上はすると思われるマグロ丼を、お昼に30食限定で500円で提供するなどはその例です。
そのお店と商品の新鮮さに興味を持っていただき、夕食や宴会で使ってもらえればよいというわけです。
生命保険営業では、試供品のような保険商品はありません。
しいて言えば、安い保険料の、がん保険や医療保険を先に売って、あとから死亡保障や老後生活のための資産形成商品を売るといった手法が考えられます。
ビジネスを行う上では、最初の障壁を極端に低くしなければいけません。
私たちの仕事でも、最初に安い商品を売るということ以外に何か考えられないでしょうか。
例えば、私たちのお客さまとの面談は無料で行われますが、最初に会ったときに、相手が期待する以上の、いや期待の倍くらいのイメージで、相手にとって効果的な内容の濃い情報を与えることができます。
スポンサーリンク
当初の面談が、無料でそこまでしてくれるのかというサービスになっていれば、お客さまは、「この人なら」商品購入を検討しても良いなという気持ちになっていくと思います。
新規顧客を開拓する段階では、商品購入をイメージさせないことです。
利益が出ないはずなのに、ここまでしてくれるということで、あとで本当の優良顧客になっていただくのです。
化粧品会社や健康食品会社の無料サンプルのばら撒き作戦は、顧客を作り出すのに非常に効果的です。最初は軽いお願い(無料でさしあげる)を行い、そこから本命の要求(商品の定期購入)を行います。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックを徹底的に使いこなしているのです。
私たちのできる無料サンプルのばら撒きとは、情報提供しかありません。
商品を売るための販売テクニックとしての情報提供ではなく、金融商品や社会保障制度についてのお客さまの役に立つ情報を、常日頃からたくさんのお客さまの目に触れる形で提供することが重要です。
以前の記事では、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを説明していますが、フット・イン・ザ・ドア・テクニックはちょうどその逆ですよね。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックは最初に小さいお願いをしていき、少しずつ大きな頼み事をしていく方法で、一貫性の法則が関係しています。
それに対して、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは最初に大きい頼みごとをした後に、それよりも小さいお願いとして本命のお願いをする方法です。
これには、返応性の法則とコントラストの原理が関わっています。
どちらも人間の心理の動きを捉えている方法ですが、逆というよりどちらも真実ということなのです。
このように、テクニックを使いこなすには、まず相手とのコミュニケーションを大切にすることが必要になってきます。
独りよがりのテクニックに人はだまされません。コミュニケーション応力を磨くことが重要なのです。
スポンサーリンク