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7.鏡を置くとグレーゾーンがなくなる
- 2017/2/21
- Ⅰ.心理学を武器にする, 営業の心理学
- グレーゾーン, コンプライアンス

目次
グレーゾーンを容認すると?
営業の現場に長いこと身を置いていると、お客さま思いが高じて若干のグレーゾーンを容認するという立場に立ってしまうことがあります。しかしお客さまのためにと思ってやったことが、決してお客さまのためではなく、さらに自分の営業マンとしての経歴にも傷をつけるということがあります。
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生命保険営業の世界では、金融商品を売っているということを考えても、信用第一であり、コンプライアンスが第一なのです。これは会社からそのように指導を受けているからとか、他力の教育によってそう思うのではなく、自分の生き方としてしっかりと芯にすえなければなりません。
日常生活でも例えばポイ捨てなどであれば、誰も見ていなければまあ良いかといった感じで多くの人が一度は行ったことがあるのではないでしょうか。
しかし誰かが見ているのです。
私は単身赴任が長く、休日などはスーパーマーケットに通い食材を購入する機会が多かったのですが、月曜日になって同僚や顧客から声を掛けられ、「○○スーパーにいましたね。」とか、「野菜パック買ってましたね。」とか言われることが度々ありました。
自分ではまったく知らないところで、休日という無防備なプライベートタイムに、仕事で知り合った誰か、あるいはこれから知り合うかもしれない誰かに見られているのです。
常に誰かが見ている。
もしこれがひとりでの買い物ではなく、綺麗なお姉さんが横についているとか、破れたスエットタイツで髪を乱してうろついているとか、それこそポイ捨ての現場を見られているとかしたらどうでしょう。
バリバリの金融機関のさわやか営業マンを日ごろ演じていればいるほど、そのギャップに幻滅されるのは目に見えています。
常に誰かが見ている。そのことを意識するためには、いつでも鏡に写っている自分の姿を見るようにすると良いでしょう。ポイ捨てをする時は、誰もいない場所で行う人がほとんどです。誰か他の人がいればポイ捨てしないものです。誰かの代わりに自分で自分を観察する気持ちが大事です。
例えば告知義務違反などの告発は、ほとんどお客さま本人か、その家族から行われます。
「営業マンが告知しないで良いといったけど、本当に大丈夫か」という訴えです。お客さまは、自分が一瞬でも、風邪くらい告知しないでも大丈夫だよねと考え、口にしていたとしても、必ず営業マンのせいにします。
もしこのような契約の場面に、コンプライアンスオフィサーが同席しているといたら、営業マンとお客さまはどのような態度をとるでしょうか。おそらくコンプライアンス違反は行われないはずです。「誰かに見られている状態では違反行為の抑止力になる」のです。
自分の姿を鏡に写すことは、同じような意味で抑止力になります。
かっこ悪いことはしなくなるのです。営業マンは格好良くないと成果は上がりません。どこの誰が見ても、いつでもどこでも、格好良くあるべきです。コンプライアンス(法令順守)は、格好良さの象徴です。コンプライアンス第一の営業マンは、お客さまからも会社からも信頼されます。
このように、目には見えないが、実際にあるようなつもりで自分の前に鏡を置くことによって、グレーゾーンはなくなります。もともと「コンプライアンス」は、○か×か、イエスかノーかのどちらかしかなく、あいまいな部分はまったくないものなのです。
生命保険営業の中で、あいまいな部分を作ると、自分の首を絞めます。
胸には名札を着けて歩く、自分の前に鏡を置いたつもりで自分を観察する、たとえ休日でも一歩家を出たら、尊敬する上司や育成中の部下やもうすぐ契約をいただける予定の社長が、あなたを見ていると思うことで、仕事に対する態度や姿勢が変わります。