2.人は得られる物よりも失う恐怖の方が大きい

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生命保険は万が一のリスクを保障でカバーします。

損失を回避するためにこれ以上の商品はありません。30歳のときに3000万円を保障してくれる定期保険に加入したとします。

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保障期間は60歳まで、毎月の保険料は10000円です。

保障期間中に死亡事故が起きれば受取人である奥様に3000万円の保険金が支払われます。

何事もなければ、1万円×12ヶ月×30年=360万円を掛け捨ててしまうことになります。

結局360万円は掛け捨ててしまったけれども、健康でいられたから良かった良かったといって、文句を言われないのが生命保険という商品です。

通常の商品ではありえません。お金を支払った以上必ず何かの役に立たなければ詐欺だと訴えられてしまいます。

饅頭はお金を払えば食べられます。

美味しくてその価格分満足するのです。人は得られる物よりも失う恐怖の方が大きいので、生命保険という商品が成り立っているのです。

もし若くしてなくなったら、残された妻や子供の生活がなり行かない、だから保険に入っておかなくてはというわけです。

自分自身の命が失われる恐怖といったら、並大抵のことではありません。

ましてやそれが家庭を支えている生計の主体者で責任のある立場だったら、誰でも3000万円くらいの死亡保険金の準備はしようと思いますよね。

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最近では、平均寿命が延びて長生きのリスクを考える人が多くなったせいで、死亡保険に対する考え方も変わってきていますが、それでも、治るかもしれないががんなどの大病をするリスクを考えて、がん保険や医療保険に加入する人は多くなっています。

どのような商品の話法例を見ても、結局は、この心理を利用して作られています。

「もしがんになったら、病院への支払いだけではすみません。治る病気になりましたが、収入の減少は予想できますし、社会復帰するまでには長い時間とお金が必要です。」

このような話法は、失う恐怖を最大限にアピールしていることになります。このように、人は得られる物よりも失う恐怖の方が大きいのです。

ここで、プロスペクト理論を説明しておきます。

行動経済学の有名な理論ですが、プロスペクト理論では、次のような例が出されます。

事例1.

以下の2つのくじを選べるとき、あなたはどちらを選びますか。

1.必ず1万円が当たるくじ

2.50%の確率で2万円が当たり、残り50%は0円のくじ

この場合、多くの人が「1.必ず1万円が当たるくじ」を選びます。1万円を失う恐怖を回避するのです。次の場合はどうでしょうか。

事例2.

1.必ず1万円の罰金は払わないといけない

2.50%の確率で2万円を払わないといけないが、残り50%は罰金が免除される

このように条件を変えると、今度は「2.50%の確率で2万円を払わないといけないが、残り50%は罰金が免除される」を選択する人が多くなります。

今度は、「罰金を払わないといけない」という損失を回避しようとします。つまり、多少のリスクがあっても罰金が免除される方を選ぶ人が多くなるのです。

得をするか損をするかで価値の感じ方が異なってしまうという考えがプロスペクト理論です。

お金の価値としてはどちらも1万円です。しかし、条件を変えると人は行動を変えてしまうのです。

人はいつも損失回避性の原理に従って行動しています。

「あってはならないこと」をどう表現して、お客さまに「自分事」としてリアルに感じ取ってもらえるかが、私たちの仕事では成果の優劣につながっているのです。

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