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- Ⅱ.与えまくることで人を動かす, 営業の心理学
- 1.小さく与えて大きな見返りを得る
1.小さく与えて大きな見返りを得る
- 2017/2/27
- Ⅱ.与えまくることで人を動かす, 営業の心理学
- 返報性の原理

目次
- 1 返報性の原理とは、与えられると返さなければならないという心理が働くことです。
- 2 それでもお客さまに与えるものがなければ返ってくるものがないのです。
- 3 何かあったときにすぐに必要となるのは、正しい情報なのです。
- 4 私たちの仕事は、その情報格差の分だけ保険料という形になって返ってくるのです。
- 5 私たちのビジネスでは、ともかく保険に加入してくださいといっても加入してくれる人はいません。
- 6 多くの情報を公開しましょう。情報は抱えこんではいけません。
- 7 「ここまでしてくれる人はいない」と思ってくれるような方法を考えましょう。
- 8 返応性の法則を利用するといっても、個人ではどのような方法をとれば良いでしょうか。
- 9 まったく同じ情報でも、伝える人が違えばまた新鮮な情報になることもあります。
- 10 そこで、返報性の原理を応用します。つまりお会いする前に徹底的に与えておくという方法ですね。
返報性の原理とは、与えられると返さなければならないという心理が働くことです。
この「返報性の原理」を利用して、小さく与えて大きな見返りを得るという販売手法が広く利用されていて、わかりやすい例で言えば、試食販売などがそうです。
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試食は、無料で食品を提供し、その味をお客さんが気に入ってくれたら、商品の購入にいたるというプロモーションですが、お客さまは店員から直接食品を手渡され食べてしまうことによって、その商品を買わなければいけないという気持ちになることが多いものです。
生命保険営業の場合はどうでしょうか。商品の一部を小さく与えることなどできませんし、もちろん試食はできません。
それでもお客さまに与えるものがなければ返ってくるものがないのです。
私たちが与えられるものは、「情報」です。徹底的に情報を与えまくるのです。もしあなたが、突然耐え難いほどの痛み(頭痛や腹痛)に襲われたとします。
そのとき必要なものは、病院や専門医の情報、夜中でも電話が掛けられる健康相談サービス、そのあとは診断確定後のセカンドオピニオンサービスの情報などではないでしょうか。
何かあったときにすぐに必要となるのは、正しい情報なのです。
生命保険の仕事に関わっていると、私たちは日ごろから、生命保険商品の知識だけでなく、金融商品の知識、社会保障制度などの周辺知識、がんなどの病気を筆頭にいろいろな病気や医療に関する知識なども勉強しています。一般の方と比べるとその知識量は膨大なものです。
これはまたお客さまにとっても非常にありがたい知識なのですから、機会を設けて徹底的に伝え歩くということができると思います。
私たちの仕事は、その情報格差の分だけ保険料という形になって返ってくるのです。
膨大な情報を与えてくれるプロにお任せしておけばあんしん、だから私はこの営業マンから生命保険に加入したいと思っていただけるということです。
人は何か与えられると、無意識のうちに「その人に対して返さないといけない」と恩義を感じるようになるということなのですから、その場その場では見返りが分かりづらかったとしても、無意識化に人の役に立つ情報を提供し続けることが、結局は人の信頼につながり選択される人物になるということなのです。
私たちのビジネスでは、ともかく保険に加入してくださいといっても加入してくれる人はいません。
だからこそ最も重要なのは、まずは「相手に対して与えまくる」という方法です。
情報は価値が高いのに、無料です。無料のものを配りまくっても経費として考えれば痛くもかゆくもありません。
経費は使わずに頭を使って人に喜ばれるわけですから、お客さまを増やしていく方法としてこれ以上素晴らしいものはありません。
多くの情報を公開しましょう。情報は抱えこんではいけません。
一方的な情報提供でもかまいません。チラシや小冊子を配布しまくっている企業はたくさんあります。
ただそこにアナログ的な要素、つまりあなたが配っていることが十分に伝わるような提供のしかたを考えたほうがよいと思います。
「ここまでしてくれる人はいない」と思ってくれるような方法を考えましょう。
お客さまが(お客さまになる人が)動いてくれる(保険加入を真剣に考えてくれる)ためには、相手にメリットを提示するという意味で、先に相手に与えまくるしか方法がありません。
何しろお客さまになる可能性のある方は、最初は皆さん初対面なのです。全く知らない状態から信頼関係を築くためには、与えることしかないのです。
この方法を取り入れている典型的な企業にリッツカールトンやディズニーがあります。
心のこもった接客の方法を用いてお客さまに与えまくることによって、リピーターとして大きなリターンが返ってくるという戦略を取っています。
返応性の法則を利用するといっても、個人ではどのような方法をとれば良いでしょうか。
お客さまが有益だと思ってくれるサービスを提供する方法として情報を拡散することをお話しましたが、これはあなた自身のブランディング化にも繋がります。
与えまくることで、ようやくお客さまはあなたのことを意識し始めるのです。
自分は、「保険営業の仕事をしている人ならみんな知っている情報しか持っていない」とか考えることはありません。
まったく同じ情報でも、伝える人が違えばまた新鮮な情報になることもあります。
いかに相手の立場に立って情報を公開してるのかを真剣に伝えればいいのです。 情報を公開し提供し続ければ、情報をたくさん持っているあなたから、もっと聞きたいことが出てくるはずです。
私たちは、お客さまとお話しをしなければ、契約を取り付けることは不可能です。通常はお客さまとお会いするためにアポイントをとることになります。相手がこの人には会わなければいけないなと思っていてくれたらどんなに楽なことでしょう。
そこで、返報性の原理を応用します。つまりお会いする前に徹底的に与えておくという方法ですね。
ほとんどの人は相手のことを考えずに、何も与えることをせずに、「保険のお話を聞いてください。お願いします。」と言います。そのため、相手はもともと何のメリットも感じていないので簡単に断ることができるのです。
会いたいというのがこちら側の頼みごとではなく、相手の希望に変わっていたら面談は成功するはずです。
そのためには無償で自分のために何とかして欲しいと思うのではなく、相手のメリットになることを先に与えておくことが重要です。そうすれば、無視されることがなくなります。